教育について

教育方針

幼稚園のあり方が変わってきています。

P1060124近所に小さい子がたくさんいて、空き地や公園が子ども達の遊び場だった時代。子ども達は、そこで集団を学び、遊び方を学び、異年齢との関わり方を学んでいました。幼稚園は、遊戯をしたり、楽器や粘土など家にはない遊びや経験の場でした。時代が変わって子どもの数が減り、子ども達が集まって遊ぶことも、子ども達だけで遊ばせることも安心できない世の中になりました。その一方で子どもに関する産業は増え、習い事など幼児期から様々な経験ができるようにもなりました。

今、幼稚園のあり方が大きく変わろうとしています。

同年代の子どもと真剣にぶつかり合うこと。自分の身体を思いきり動かすこと。創造力を働かして何かに没頭すること。昔の空き地や公園で当たり前に見られた経験が、今の子ども達には不足しています。教育は、目の前の子ども達にとって最善でなければなりません。慣習にとらわれず、流行に左右されず、目の前の子ども達を見て本当に必要な教育を行っていきたいと思います。

 

子どもらしい子どもに育てたい。

「どろんこあそび、砂あそび、あそびはなんでも大好きでP1060411

友だちがたくさんいて、虫や動物や花が好き

ときどきけんかやチョッピリいたずらをして

おかしいときには大笑い 悲しい紙芝居や童話の時には涙ぐみ

しかられたりするとしゅんとなり

ほめられると 有頂天となってよろこぶ

へんじ あいさつ しつけのけじめだけは

しっかりして 目はきらきらと輝いている

こんな子どもらしい子どもにそだてたいものである。

(倉橋惣三)」

この詩に書かれている子どもこそ恵庭幼稚園が目指す子ども像そのものです。

幼稚園で必要な経験とは、こういったものなのではないでしょうか。

 

Naturalが一番。

IMG_7193自然が一番と書こうと思ったのですが、自然には二つの意味があるのであえてこう書きました。「大自然などの自然」ではなく、「いつも通り=自然体の自然」です。幼児期の子どもはすべてのことに真っ直ぐで、素直な感性のまま生きています。この真っ直ぐな子ども達の感性をそのまま健やかに伸ばしていけるよう、幼稚園生活は子どもの自然な生活の延長でありたいと考えています。大人の都合で子どもを振り回したり、大人の都合を押しつけることなく、子どもの心から湧きでる意欲、感情、好奇心を大切にする幼稚園でありたいと思います。

 

自然の中に教材がある。

IMG_8255平成17年、幼稚園の園庭を大改修しました。というのも、それまでは200人を超える幼稚園でありながら園庭に木が一本もなかったからです。井戸を掘り、池をつくり、小川を流しました。池にはメダカやドジョウを放し、園庭には梅や栗、桜やもみじといった木々を植えました。子ども達が毎日過ごす場所だからこそ、季節の移り変わりや自然の(ことわり)などを生活の中で感じられる空間にしたかったからです。本の中より、机の上より、大切で面白い教材がたくさんあります。

 

誰のための行事なの?

おそらく、行事は他の幼稚園よりも少ないでしょう。内容もシンプルです。もしかしたら、物足りなさを感じる方もいると思います。でも、それで良しとしています。なぜなら、行事は大人のためではなく子どものためにあるからです。練習が必要な行事は、過熱すると練習の毎日になってしまいます。悪い言い方をすれば人に見せる訓練の毎日です。幼児ですから、教えれば教えるだけ吸収していきます。しかし、それが幼児期の子どもに本当に必要なものかはしっかり見極めなければいけません。初夏6月の運動会、晩秋11月の発表会。季節を感じる一番良い時期に行事の取り組みと同じくらい、四季を感じる生活を大切にしていきたいと思います。

 

誰のための作品なの?

見せるための保育より、一人一人の成長によりそう保育を目指します。子どもにとって絵画や造形は言葉と同じ自己表現の一部です。それを大人が望むかたちに教えてしまったら、その子は自分を表現する言葉を奪われることになります。やり方を教えるのと作品を教えるのは別です。画材、素材の扱い方、特性はしっかり教え、それを使って表現する作品はその子自身に任せます。大人が見てスゴイ作品ではなく、子どもが自信を持ってスゴイと胸のはれる作品をつくっていきます。

 

教育の特色

心の教育

恵庭幼稚園は仏教園ではありますが、仏教徒を育てる園ではありません。

仏教の教えである『生命尊重、感謝と思いやり』

2011年3月11日。あの日より、これら心の大切さをより強く感じます。

いのちのはかなさゆえの尊さ、生かされているいのちへの感謝、一人ひとりのいのちを大切にする思いやり。

人は命のバトンを受け継ぐ縦の関係と今の命を繋ぐ横の関係の中で存在します。

すべての教育活動の中心に仏教精神をもとにした「心の教育」を据え、かけがえのない命の尊さを感じ、大切にする温かい心を持った子ども達を育てていきます。

 

対話による教育

遊びを中心とした保育が放任であってはなりません。

集団の中で遊んでいるのですから、その中にはルールがあります。

しかし、そのルールが、すべて先生からの一方的なものであってもいけません。

 

自由ばかりではない

主張ばかりでもない

相手を受け容れ

自分たちで話し合う

自分たちで考える

そして、みんなで決めて、みんなで守る

 

遊びのルールだけでなく、普段の保育の中でも対話を重視した保育を進めていきます。

子ども同士の関係は、相手の言葉や考えをしっかりと聞き、そして自分の気持ちを伝える。

先生と子どもの関係は、子どもの声にしっかりと耳を傾け、「指示・連絡」より「対話・会話」が多い。

そんな関係を大切にしています。

 

学年別の教育スタイル 

幼稚園の3年間で子どもは大きく成長します。年少と年長では理解度・運動機能・社会性に大きな違いが見られます。それにも関わらず年少も年長も同じ活動空間、活動スタイルでいいのでしょうか?

恵庭幼稚園では、年齢による発達段階を考慮し、各学年にあった活動スタイルを取り入れ、そのスタイルにあった活動空間と教員配置で教育を進めています。

 

教員配置

活動空間

活動スタイル

5歳(年長)

ティーム保育

教室,アトリエ、キッチン、

和室、ホール、図書室

自ら動く

(プロジェクト型)

4歳(年中)

担任制

クラス毎1教室、プレイルーム

習う

(設定保育)

3歳(年少)

ティーム保育

生活部屋、全体活動部屋、遊び部屋、

教室、多目的スペース

遊び込む

(遊び中心)

 

※3歳児は、遊びに没我できる環境と一人ひとりを養護できる教員配置をしています。

※4歳児は、黒板・机・イスの教室スタイルで習うことを学びます。

※5歳児は、「やりたい」が「できる」環境と教員配置をしています。

 

ティーム保育

ティーム保育は担任が主になり副担任がサポートするという形態ではありません。学年の多様なタイプの先生が協力し、幼児一人ひとりの経験の幅を広げ、個性に応じた活動やきめ細やかな指導を行う保育形態のことです。

年少と年長はこのティーム保育により、一人ひとりの主体性を育て、自分の頭で考え、判断し、行動できる力を持った子どもを育てていきます。

園児数

教員数

教員1名に

対する園児数

5歳(年長)

72人(87人)

5人(担任4人、TT1人)

15(18人)

4歳(年中)

72人(87人)

6人(担任3人、AT3人)

12(15人)

3歳(年少)

72人(87人)

8人(担任4人、TT4人)

9(11人)

216人(261人)

19人 (担任11人、TT6人)

11(13人)

※園児数の( )内は最大人数

 

教育の内容

3年間の系統性

子どもの発達段階を考慮し、3年間の系統性を持った教育内容を組み立てています。

 

1学期

2学期

3学期

5歳(年長) ・4歳で身につけた集団における基本的生活習慣をもとに自分たちの生活やあそびの環境を、指示待ちではなく自分たちで創りあげていきます。・3歳であそび込んだ経験と感覚をもとに4歳で学んだ技能を用いて、さまざまなあそびを自分なりに発展させていきます。・もじや数量などを生活やあそびの中で使う面白さ、便利さを感じて活用していきます。 ・基本的生活習慣を身につけた自律(自立)した生活を送ります。・豊かな感性と創造力を幅広い技能で表現していきます。・知ることの楽しさや面白さを感じ、調べたり探求する心を持って小学校へあがります。
4歳(年中) 身の回りのことは自分でできる段階です。ここで基本的な生活習慣をしっかり身に付けます。 感受性や創造力が増す時期です。絵画、造形、音楽といった表現技術の他、運動技能や生活技術の基礎基本を繰り返し学んでいきます。 友だちと一緒に協力して物事をやり遂げようという心が芽生えてきます。共に楽しみ共感しあう体験を通してバランスのとれた自己主張と自己抑制の力を身につけます。
3歳(年少) とにかくあそび込みます。いろいろな素材、身体をつかってあそぶことで智(知)の基礎となる感覚を養います。 自我が目覚め、あそび込んだ子ども達があそびを通して仲間や周りに意識が広がります。この段階で、わけあうことや順番であそぶ大切さを学びます。

※   上記の内容は、当園の教育課程を本概要用に簡単にまとめたものです。

領域ごとの教育内容

 恵庭幼稚園独自の5つの領域においてバランスよく教育内容を組み立てています。

※( )内は学習指導要領の5領域の項目です。

会性・道徳性(人間関係)

みんなで楽しく遊ぶためにはどうしたらいいだろう。恵庭幼稚園では、先生が全てのきまりをつくるのではなく、子ども達と一緒になって考え、園生活のルールをつくりあげていきます。ずっと一緒にいるのですですから、時にはケンカも起きてきます。でも、ケンカは最高の教材。真剣なぶつかり合いの中から、お互いの気持ちを知り、譲ることや我慢することを学んでいきます。人間関係、社会規範、基本的生活習慣など集団を通して生きる力を育んでいきます。

識・知恵(言葉・環境)

幼稚園は、小学校の教科につながる前段階です。だからといって、漢字や算数の先取りはしません。なぜなら、直接それらを教えなくても基礎となる学びは遊びや生活の中にたくさん含まれているからです。なぜ、算数や数学、理科や社会を学ぶのでしょうか?ただ暗記して点数をとるためではありません。知識を通して知恵を得るためです。みんなでものを分ける時、何かを使ってものを作り上げるとき、自然の中で不思議に感じたとき、その経験がいずれ教科に結びついてきます。知識は基礎、知恵は応用です。応用ができる子どもを育んでいきます。

康・安全(健康)

子どもの周りから「危ない」をすべて取り除いた結果、今の子ども達は、体力はもとより危険を予測する力も著しく低下してしまいました。恵庭幼稚園では、子ども達の挑戦する気持ちや運動能力を育むためのリスクと子どもの重大な事故につながるような罠のような危険のハザードを分けて遊具や園庭の環境を配置しています。専門の講師による体育指導、水泳指導とあわせて強い身体を持つたくましい子どもを育んでいきます。

性・表現(表現)

幼児期の子ども達は感じたものを感じたままに色々な方法で表現します。この時表現しているものは感じたことではありません。感じている自分自身です。ですから、子ども達の作品やあそびは、その子のもう一つの声なのです。恵庭幼稚園では、豊かな感性は創造的な自己表現活動によって育まれるという考えのもと、子どもの創造的活動を重視しています。一人ひとりの創意工夫をその子自身と認めることで感性と共にキラキラ輝く個性の芽が伸びていきます。

欲・充実感

「できないことができるようになる」「気づかないことを気づくようになる」「わからないことがわかるようになる」そうした経験が育ちであり、学びです。これらのものは自分で試し、繰り返し挑戦することで体得していきます。すべての子どもたちが持っている、そんな自ら育つ力を伸ばしていけるように、子ども達の心から自然と湧き出る意欲、感情、好奇心を何よりも大切にしています。

特徴的な教育活動

畑と森の活動 

恵庭は寒冷地稲作発祥の地です。森と共に生き、田畑を耕すことは、恵庭を知ることでもあります。園庭の水田、河川敷の大きな畑、森のような園庭。これらは、子ども達に自分たちが生まれ住む自然を五感を通して幼少期に感じてほしいという思いで作りました。島松沢にある9,600坪の「北清の森」は、整備された公園ではなく大自然の中でたくましく子ども達を育てて行きたいという思いで借りました。

田畑を耕し汗を流し、収穫の喜びを知る。人知の及ばぬ自然に畏敬の念を抱き、自然と共に生きる。

四季の自然と創り上げる生活を通して、ふるさとの記憶を五感に残してあげたいと思います。

※ 畑へは毎日、北清の森へは月に2~3回でかけます。

 

礼儀作法・絵本

恵庭幼稚園では小学校の学習内容を先取りするような早期教育はしません。しかし、読み・書きの基礎となる日本語は大切にしたいと考えています。週1回の絵本貸出や地域サークルの方による読み聞かせなど図書活動が盛んなのは、幼少期の絵本読み聞かせを通して豊かな日本語と本の世界に出会ってほしいという思いがあるからです。

また、寺子屋では読み・書き以外に礼儀作法も教えていたと言われています。日々の生活の中で挨拶・返事などの礼儀を、和室の活動や仏教行事を通して作法を教えていきます。

※絵本貸出は5月~2月まで毎週1回行っています。

※英語教育は行っていませんが、国際理解教育には取り組んでいます。

外遊び、水遊び

幼児教育は遊びを通した教育です。しかし、ただ遊ばせれば良いのではありません。子どもが遊ぶ環境の中に、智(知)につながる基礎が埋め込まれていなければいけません。そして、もっと大切なのは遊ぶ時間が確保されていることです。

「時間」「仲間」「空間」

この3つの「間」と智(知)につながる工夫が重なり合い、はじめて遊びが教育になるのです。

恵庭幼稚園の子どもは毎日遊びます。夏は水びたし、泥だらけになって遊びます。冬はマイナス20℃まで毎日外で遊びます。水遊び、泥遊び、雪遊びを通して、智(知)の基礎がゆっくりと育まれていくのです。

 

園外活動、地域との連携

明治21年寺子屋洞門小学校から数えると約130年の歴史がある恵庭幼稚園は、 常に地域と共に歩んできました。地域と生きる幼稚園だから、積極的に園外にでかけ、地域の公園を園庭とし、地域にある食を食卓に並べ、地域の人々を先生としています。